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第42号 「オットーのハートシリーズ(2)」

今月は第40号に引き続き、オットー・クンツリ氏のハートシリーズを紹介しよう。

写真1は「ウェッジ(Wedge)」と題された、55×34×18mmもある大きくて重たいハート型のペンダントだ。鋭いエッジを持ったくさびは、「愛は時に人を傷つけ、切り裂き、殺すこともある」ということを意味している。それをエレクトロニックエロージョンという技術を使ってくりぬいた鉄の塊が写真2である。

次に、「ハード・ハート(Hard Heart)」というピン・ブローチだ(写真3)。 写真4はアップにしたものであるが、白い骸骨のパーツは全てハートである。ヨーロッパの絵画や挿絵には骸骨がハートを持っている姿をよく見かけるが、「Love can kill you」という言葉があるように愛が身を滅ぼすことがあるということを表現した作品である。

写真5は「Out of the dark」というタイトルで暗闇からの脱出、あるいは「朝と昼」とでも言ってよいタイトルで、黒仕上げの中央に金のハートが外に出ている。裏側が金になっており、暗闇の中に一本の光が指しているようだ。

これらの作品の解説をしたあとでつぶやいたオットーの言葉が、私の頭の中に今でも残っている。

「宝石店にハート・モチーフのジュエリーがあふれているが、甘いだけのハートだけではなく背景のあるハート・ジュエリーであって欲しい。」



(写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます)

※水野孝彦著「世界のジュエリーアーティスト(上巻)」より 一部抜粋


07/04/30

写真1
写真1

写真1
写真2 

写真1
写真3

写真1
写真4

写真1
写真5




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