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写真1 |
右から羽ペンで字を書く書家、オルガンを弾く音楽家、鉛筆で描く画家。 |
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●ニューシャテル美術歴史博物館
ニューシャテル駅横の坂道を下ると10〜15分で到着です。人々がここを目指すのは、ひとえにジャケ・ドローの制作した3体のオートマタ(機械式自動人形)に会いたいがためでしょう。座高70cmの書家、音楽家、画家のトリオがこの博物館の一番奥の部屋で待っています(写真1)。
このトリオはオートマタ史上の最大傑作の一つで、1770年代にはヨーロッパ各地の宮廷(マリー・アントワネットの前でも)や貴族の館に招かれて公演を行ったという記録が残っています。当時の人々は、きっと驚いたことでしょう。
一番右側にいる書家の内部の写真が側にあり、それを見れば、カムが沢山積み重なって細かいからだの動きがつくりだされていることがわかります(写真2)。内部下部にある円盤の歯の位置をいろいろ変えれば文章は何通りも書くことが出来ます。アルファベットですので英語でもフランス語でもOKです(写真3)。
真ん中の音楽家は、リズムにあわせて呼吸し、自分の手で鍵盤をたたいて音を奏でます(写真4)。自動ピアノのように鍵盤が自動的に下がって音がなるのではありません。左側の画家は、絵を描いた後、フーッと鉛筆の粉を吹き飛ばすかのような動作をします。
もちろんジャッケ・ドローは時計師としても一流で、オートマタ付の時計も数多く作っています。この博物館の見所は、毎月第一日曜日に行われる、200年以上前のオートマタの実演です。また、この博物館のすぐ前はニューシャテル湖が広がっていて、運がよければ、湖のはるか上に浮かぶアルプスを眺めることが出来ます。
Musee d'art et d'histoire de la Ville de Neuchatel
Esplanade Leopold-Robert 1, 2000 Neuchatel
Tel: 41-32-717-79-20
http://www.ne.ch/neuchatel/mahn
開館時間:火-日10:00-18:00 |
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今回で3回目となる時計博物館の紹介です。
前回ではモン城時計博物館のオートマタ(機械式自動人形)についてふれましたが、今回もこのジャンルで見逃せない2つの博物館を紹介します。
そして最後に、歴史的に見て、ラショードフォンより新しく興った、時計の生産基地であるビエンヌの博物館にまで足を延ばしてみましょう。 |
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写真3 |
ペン先を目で追いながら字を書き、書かれた文字は「ニューシャテルのジャッケ・ドローのオートマタ」と読める。 |
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写真4 |
音楽家の手の裏側は指一本一本が動くようになっている。この時代にこんなものが作れてしまう凄さ。 |
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