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第99号 イチゴのブローチ
今回は私事に近いのだが、ジュエリーにはこんなこともできる、と知らせたくて、あえてこの文章を書こうと思う。

まず写真1(拡大して見てください)のブローチを見て欲しい。この1つひとつの部分は、イチゴのおもちゃを細かく切って、既製の枠にはめたものだ。写真2の裏面を見るとわかるが、かなり自由にぐにゃぐにゃと動く。そこがこのブローチの面白いところだ。

実はこれ、本校講師の嶺脇先生が私につくってくれたものだが、嶺脇先生はもう何年もプラスチック製の家庭用品を切り刻んだ破片を使った作品を発表している。例えばカップを切り刻んでパーツをつくり、それを糸でつなげスクリーンとしたインスタレーションがある(写真3)。つり下げてある一つひとつがプラスチック食器の破片だ。私も最初は戸惑った作品だったが、当時から今までこのような仕事を一貫して続けている作家は彼女一人だった。現在ではヨーロッパでも、かなり作品が認められ、東京都現代美術館でジュエリー作品買い上げ第一号となったように記憶している。写真2のブローチは、このインスタレーションをブレイク・ダウンして商品としたもので、作品のみでなく、デザイナーとしての優れた才能もうかがわせる。

なぜ私にイチゴをプレゼント?となるが、以前私が書いた本のタイトルが『校長の靴下はいちご柄』(写真4)だからだ。私はイチゴ柄の靴下を集めている。かつて一人の学生が研修旅行のお土産でイチゴ柄の靴下を買ってきてくれたのがきっかけだ。それ以来、校長らしくない校長になりたいとイチゴ柄の靴下を集めて履いていた。しかし、段々にその靴下も少なくなってきたという話しをしたら、では誕生日のお祝いにイチゴ柄のブローチを贈ろうと嶺脇先生が考えてくれたのだ。ついでに誕生祝いの飲み会も開いてくれたのだが、嶺脇先生を含むその時のメンバー四人全員がジュエリーをつくってきてくれた。

次号で、他3名の作品も紹介しよう。
写真1
<写真1>


写真1
<写真2>


写真1
<写真3>


写真1

<写真4>


13/1/15

(写真をクリックして拡大してみてください。

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