写真1(写真は拡大して記事と合わせて読んで下さい)は、彼のユニークさ、楽しさがあふれている作品だ。針入り水晶を、木でつくった台(石の周りの四角の枠)にはめこんで、金の釘で留めている。さらにその台座をリングに斜めに留めて、パールで飾っているのだ。
しかもこの台座はリングの上で自由に動くようになっている。そのアップが写真2だ。さらにユニークなのはこの台座とリングは裏からネジ留めされ、そのネジ頭にはルビーがはめてある。
写真1をもう一度見ると、リング下部に、上のパールと同じサイズの木のビーズが4個、位置を変えて留めてある。例によって、その釘の先はリングの内部に露出している。
最後の写真3は、半透明のプラスチックでリング部分をつくり、それと同じ素材でつくった石の形をピンで留めてある。リング部には四角の穴が開けてあり、そこに石の底がはめ込まれている。ここは接着剤で留めておらず、鉄製の即製ピンが取れれば石も外れてしまう。しかし、そのユニークな考えにまず感心させられてしまう。
さて、ウリのエピソードは尽きない。今回も、当校の講師に語ってもらった。
「お父さんや兄弟がみんな建築家だったので、自分も自然にその道に進もうとしていた。14歳から建築の勉強をしていたが、だんだん(建築の)全てが嫌になってしまったとのこと。ウリ氏曰く、キリストの十字架は左右対称。その影響下にあるヨーロッパの建築物の殆ども左右対称に出来ており、それがたまらなく退屈で嫌いだそう。彼の作品のほとんどがアシンメトリーなのは、そこからきているのかもしれません。」
大阪校講師 松尾 秀司
「ウリは、自分のレクチャーの前に必ず『ring of fire』という歌を流す。それはジョニー・キャッシュの歌で、サーカスの"火の輪くぐり"がテーマの歌。自分が火の輪の前にいるようだということで「ring of fire〜♪」という歌のところは、ウリも声を出して一緒に歌うのです。聴いている方の緊張もほぐれる瞬間です。今回、レクチャーの最後にはブリトニー・スピアーズの歌が流れました。「piece of me」という歌詞のところでウリも声を合わせて歌います。今回のワークショップのタイトル。そう!
「piece of me」でした。
東京校講師 嶺脇 美貴子
|