前回、サンゴの話でブータンのことを書いたので、今回はその国について触れてみたい。
世界の僻地旅行に関心のある人は、ブータンと聞けばネパール、フンザと並んで行ってみたい国だ。国の話に入る前にどうやって日本から行くのか先に書いてしまおう。ブータンの話をすると必ずそれを聞かれるからだ。
結論を書いてしまうと、成田(8h)→バンコク(5h)→ブータン(首都ティンプー)となる。乗り継ぎがバンコクでうまくつながらないのでバンコクで1泊となる。バンコク―ブータンは実際のフライト時間は3時間くらいなのだが、途中バングラディッシュのダッカ、またはインドのガンジス川のほとりでヒンズー教の聖地、カルカッタに寄るので計5時間になってしまう。しかしこれは、ダッカやカルカッタに行ってみたい人にとってはブータンと両方見ることができるまたとない機会なのだ。各々単独に行こうとすると大変な旅行になってしまう。
さて、ブータンの魅力はひと言でいってしまえば世界の桃源郷とも言われるその景色の美しさと人々の穏やかさ、そしてチベット仏教を中心とするお祭りと独特の文化だろう。それらを、写真を中心に見てもらいたい。
写真1(拡大して見た方が迫力があります)はツェチュと呼ばれるお祭りの全体写真だ。以前はゾンと呼ばれる、お城と寺を一緒にした大きな建物の中庭で行われていたが、首都ティンプーのみ、このようなスタジアム内で行われる。10時くらいから夕方まで3日間行われ、初めのうちは地方からの踊りの人々が朝一番から出演する。前回の美人のネックレス写真はこの様子を撮ったものだ。
やがてお坊さんの入場(写真2)があったりして盛り上がり、一番のハイライトはジャンプダンスだ。それが写真3だ。これは3百年程前、ブータンがチベットから攻められた時、見事撃退した場面を再現している。それで、こんなに勇壮なのだ。ブータンの観光写真は、ほとんどこの場面だ。写真4は仮面ダンス、写真5は約10mの高さの大仏画のご開帳だ。手前の人と大きさを比べて欲しい。これも祭りにあわせた大きな宗教行事で、いつも見られるとは限らないので貴重な一瞬なのだ。
10/4/26
(写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます)
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