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第62号 「中場氏のグリーンリーフリング」

今回も引き続き中場氏の作品を紹介しよう。
写真1がその完成品だ。

今回は中場氏が制作プロセスを送ってきてくれたので、それに基づいて見ていこう。

写真2は、ステンレスの金網を葉の形に切り抜いている。それを写真3のようにバーナーで赤め、ふちを丸め、葉の形に成形する(写真4)。これに写真5のように、普通のエポキシ接着剤に漆で使う緑の色素を入れ、写真6のように練って、写真7のように盛っていく。葉が虫に食われたような跡は、ステンレスの針金を置いて、樹脂が流れ込まないようにしている(写真8)。あとは、写真9のようにリューターで葉脈を削り取り、パールを芯立てして出来上がり。

最新式のボーイングの機体も同じようなつくり方をするらしい。その場合のステンレスの金網に匹敵するものは、カーボンファイバーと軽合金、その上にエポキシ樹脂を付けている。これはコンポジット構造と呼ばれていて、異なる性質のものを重ね合わせて接着剤で留める仕組みだ。以前はアルミ板をリベット留めしていて、それが500人の犠牲者を出した御巣鷹山の事故原因になったそうだ。

この作品は見れば出来そうだが、これを思いつくまでと、葉の形のリアルさ、指なじみのやわらかさ、パールとの絶妙なコンビ等、随所にプロの目と技が光っている。特に素材の形の自由さ、加工の容易さ等、今のプラスチックだけでは考えられない素晴らしい素材の組合せだ。この形の自由にとれる参考例として写真10を見て欲しい。これはアザミの葉をモデルとしているが、この素材を使っているため、アザミの感じがとてもよく出せている。


09/3/24

一部写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます)



 

写真1
写真1

写真1
写真2 

写真3
写真3

写真4
写真4

写真5
写真5

写真6
写真6

写真7
写真7

写真8
写真8

写真9
写真9

写真10
写真10
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