今回はギリシャ時代のジュエリーを紹介しよう。写真1がそれだ。頭部を飾る、ヘッド・オーナメントとよぼう。
オリンピックがギリシャ時代に始まったのは、みなさんも知っていると思いますが、その勝者には月桂冠が贈られていました。月桂樹でつくられた冠ですが、この木は、色々な病気によく効くといわれていて、暴君だった皇帝ネロは自分の別荘に月桂樹を植えて家を囲んだといわれています。
その月桂樹をかたどった金の冠が、一般的にも正式の装身具として使われました。ギリシャ時代のお棺の側面には、亡くなった人の肖像画が描かれていますが、たいていは写真2のように金でできた月桂冠をつけています。
さて写真2の細部をよく見てみると正面の花飾り(写真3)は、枠にリベットとワイヤーで留められています(写真4)。葉も枠のパイプにはめ込まれ(写真5)、どうもロー付け技術が発達していなかったようです。
おもしろいのは、こういう競技会は運動のみでなく、色々なコンテストがあった事です。写真6などは月桂冠の形とは違っていますが、純金の箔に近い薄い板を折り紙のように折り曲げ、なんとワインの飲み会コンテストの勝者に与えられたものといわれています。その中央のデザインのアップが写真7です。
(写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます)
08/12/26
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