今月もドイツのジュエリー作家、カール・フリッチの本を紹介しよう(写真1)。
私が持っている本はスペシャルエディション(限定出版)となっており、本の真ん中がくりぬいてある(写真2・3)。そこにはブラックダイヤモンドに穴を開けた石付きリングが納められているのだ。更にこの指輪は金で出来ているというから驚きだ。黒色をしているが金なのだ。このリングがしおりになっているのである。
次に写真4を見てほしい。これは日本人の職人が作ったバイオリンの弓の手に持つ部分だ。
私もこの方にカールの紹介でお会いしたが、世界でも有数の弓職人と言われている人であった。そのようなバイオリンの弓にジュエリーをつけてしまったという作品である。
次に写真5を見てほしい。ディスプレイが海蛇の剥骨(骨だけにしたもの)という、なんともたまげた作品である。飾られている作品はもちろんカールのジュエリーだ。この本を制作した出版社の社長、Limの自宅玄関に飾られている。
また、Limは『The baby brick 〜The Lim Collection〜』という小さな作品集も作ってしまった(写真6)。カールの初期のリングを買い取り、一冊の本にしたのである。
カールといいLimといい、なんて破天荒な2人なんだろうと思ったものだ。
(写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます)
水野孝彦著『世界のジュエリーアーティスト』上・下巻
美術出版社より(上下巻 各3800円)
一般書店にて好評発売中
ご意見・ご感想がございましたら
E-mail(hiko-j-art@jewelry.ac.jp)までお寄せ下さい。
お待ちしております。 |
07/08/24
|