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第20号 めじろの写真 |
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写真1(クリックで拡大します)を見て下さい。なんとも愛くるしい鳥達が「今のは何の音!」と驚いている場面です。この鳥の名は、「目白(めじろ)」です。目のまわりの白は、細く短い羽毛でできています。6羽のめじろがかたまって寄っている様子は「めじろおし」という言葉そのものですね。めじろの泊まっている枝は「きぶし(木五倍子)」と言い、近隣の野山で3月の中旬に花を見ることができます。枝先に5〜6房の花がかんざしのようにつくことから、 通称「かんざしの木」と呼ばれています。
この写真では1メートルの長さに全て花が付いており、珍しいものです。めじろの後ろは満月ですね。月の満ち欠けは約29日周期ですから、この場面を撮影できるのは1年のうち、花の咲く3月に1度、しかも鳥と月が重なり合う一瞬しかチャンスがありません。もちろん晴れで、鳥がいてくれて、と 様々な条件が全てそろって初めて可能になるのです。
ここで写真家の方の名前を申し上げましょう。西東京市で活動されている大森隆一さんです。彼は東京新聞などで何度も紹介されている、めじろの撮影を得意とする写真家です。大森さんは めじろが寄り集まっているところを偶然目にし、写真に撮ろうと思いました。その準備のために、なんとその土地をオーナーにお願いして3ヶ月もの間、借りてしまったのです。
そして、まず鳥たちが安心して泊まりに来てくれる環境造りから始めました。鳥の泊まりそうな枝の選定、花の付き具合(もちろん木に施肥もしました)、月の出る時間、位置、角度、鳥と重なり合う撮影位置を算出、確保(迷彩テントを張り)し、年に一度、たった1枚の写真のためのシャッターチャンスを造りました。撮影のために、主題になる「きぶし」以外のまわりの枝葉もある程度刈り取りました。撮影にあたっては、満月の夜どの枝にめじろがとまるか判らないので、カメラを3台配置したとも聞いています。
もう一度写真1を見てください。鳥たちが首をもたげているでしょう。これは、大森さんがほんの少し足をずらした時、靴音をさせてしまい、それに気がついた鳥たちが一斉に起きてしまった瞬間なのです。でも、それが写真に動きを作っていますね。一枚の写真にしても裏にこれだけの準備とドラマがあるのです。
(写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます)
05/04/27 |
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写真1 |
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