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第11号 ラリックのジュエリー

写真1は、ルネ・ラリックのガラスによるペンダントです。
ラリックはパリのアールヌーボー(1900年代初頭)の代表的なガラス工芸作家の一人です。

アールヌーボーの有名なガラス作家といえば、他にエミール・ガレやドーム兄弟、ルソーなどがいますが、ラリックの特異な点は、初めにジュエリー作家として世界的な評価を得た後、ガラス作家としても世界の第一人者となった点です。一説には、自分のジュエリーがあまりにもコピーされるので、それが嫌になりガラス作家になったとも言われています。しかし現在ではガラス作家としてのラリックの方が有名になっています。

ガラスの作品はほとんどが器ですが、この作品のようにジュエリーも制作しました。型をつくり、その中にガラスを流し込む型ガラス製法です。このペンダントを型にとれば今でも同じ物が作れそうですが、当時のガラスの材料は鉛分が多く、重さや質、透明度等の違いですぐにイミテーションだとわかるそうです。ラリックの作品は器も含め、型が壊されてしまっていて、現在のラリック社(フランス)でもアンティークのものはほとんど作っていません。

写真1の作品はアンティークですが紐も新しくつけられ1つ1つケースに入っていた程度の良いものです。裏にリューターできれいにLariqueとサインが入っています。

写真2はこの作品の鑑定書で、ロンドンのラリックの鑑定人として有名なラウル・アラン氏のものです。このようにきちんとした鑑定書がついている物は珍しいです。

最後に、本校内に飾られているラリックのペンダントやブローチのシリーズを写真3でご紹介します。1つ1つのモチーフをよく見てみるとラリックの器の作品と類似性が見てとれます。

(写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます)

04/6/14

写真1

写真2

写真3

 
 
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