前回に引き続き、今回も私に学生や先生たちがプレゼントしてくれたジュエリーを紹介しよう。
まず一つ目が写真1(写真はすべて拡大してみてください)だ。この大きな赤いドット柄のベースの板は建材だ。台所などで使われているタイルの一部でとても丈夫なものだ。その板に、コンピューター連動のCNC彫刻機でいちごのシルエットを彫り、ペイントを埋めてある。卒業生の濱田君がくれたのだが、彼は他にも写真2のドッグタグもつくってくれた。私の名や血液型、連絡先が入っていて、やはりCNC彫刻機で彫ったものだ。そして裏面にも粋な計らいがしてあり、いちごが薄く彫ってある(写真3)。
同じく卒業生の尾崎君は、写真4のブローチをつくってくれた。空き缶の破片をプラスチックの中に閉じ込め、半球状に磨いたものだ。在学中に私が彼の作品を買い上げたのを覚えていてくれたのだろう(写真5)。
このプレゼントであっと驚いたのは、写真6の缶詰だ。これはDoleと書いてある通りパイナップルの缶詰なのだが、その中に写真4のブローチが入っていて、写真6の蓋は開いていなかった。蓋を開けて初めてブローチが取り出されたのだ。もちろん、普通の缶詰のようにプルトップで力を入れて開けたのだが、それを聞くとかなり驚きが増すだろう。つまり密閉されていたのだ。ではブローチをどうやって入れたのだろう。答えは、缶底をくり抜いて、そこからブローチを入れておいたのだ。これにはその場にいた他の3人も驚いた。
最後は樫原先生の陶片のブローチだ(写真7)。樫原先生は既製で無地のコップの内側に手描きで金、プラチナの釉薬を使い、着彩して焼き、それを割って陶片としている。コップの内側に描いたパターンもなかなかのものだ。
さて、今回なぜこんな私事を書いたのかというと、ものづくりの仕事をしている人は、このような濃密な、しかも独特なプレゼントをつくることができる、ということを具体的に知って欲しかったからだ。シューズやバッグのコースの学生も試みて欲しい。ちなみに、私が書いたいちご柄の本にちなんでシューズの先生が私につくってくれた靴が写真8だ。ある時、これを病院の待合室に忘れてきたら女性用と思われていたようで、男の私が受け取りに行くと看護婦さんがびっくりしていた。その後、その看護婦さんは本校のHPをよく見てくれるようになったのだ。
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<写真5> |
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<写真6> |
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<写真7> |
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<写真8> |
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