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第7号 うさぎの針山
水野孝彦 現代の私達は、機能をもつものはたいてい既製品をそのまま使ってしまいます。しかし、そこにある程度自分の手を加える事によって、自分なりの愛着のわくものがつくれます。
ジュエリーのアンティークの仲間にも、数多くの愛着のわく作品がありますが、今回はその中の一つを紹介しましょう。

針山と書いて「はりやま」とよびますが、今の若い人はこれを知っているでしょうか。字の通り、裁縫に使う針をさしておく小さな置台です。

一昔前はどこの家にも裁縫箱があって、子供の服が破れると縫ったり、布をあてて修理していました。その布の選び方やあて方で、母親のデザイン感覚がわかったりしたものです。

50年位前までは、継ぎのあった服を着ているのは当たり前でした。ヨーロッパでは、100年以上前まで、白いシャツを着ている人は、お金持ちや貴族に限られていました。白いシャツをいつも綺麗に着ているためには、洗濯の出来る召使いがいることが必須条件だったのです。

そこで、写真1(写真をクリックすると拡大写真をご覧になれます。) を見てください。これは英国のものですが、うさぎのボディを銀でつくり、おしりの部分は布で出来ていて、そこに針をさします。うさぎのおしりに針山をつけることによって、とても愛着のわくものになっています。

写真2(写真をクリックすると拡大写真をご覧になれます。) の私の財布も、既製のものに焼印を押したもので、印は本校シューメーカーコースの焼印です。3ヶ月以上経ちましたが、味のあるものにかわっています。うさぎの針山を見てヒントを得てつくったものです。
みなさんは、自分の手を加えた愛着のあるものをお持ちですか。

04/1/20
写真1

写真2
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